結論は「ある」が「効果は△」
勃起不全(ED)の治療ではバイアグラが有名ですが、副作用があることを心配する方もいらっしゃるでしょう。もしくは、心臓が悪いために、すでに医者から「バイアグラを含むED治療薬は飲まないほうがよい」と宣告されている方もいるかもしれませんね。
では、副作用が小さいことで知られる漢方の中に、EDに効くものがないのでしょうか。
答えは「あります」。
ただ、例えば牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)という漢方は、「下半身によい」とされ、男性の性機能の向上にも一定の効果があるとされていますが、バイアグラのように飲んですぐに勃起するという薬ではありません。
それで「漢方にED治療薬はあるのか?」という質問の答えは、
・あります
・しかし勃起効果は△
となります。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
さきほど紹介した牛車腎気丸は、体力が落ちた高齢者向けの漢方です。足や腰のしびれ、排尿障害の治療で使われます。
腰より下の下半身に効果が期待できることから「EDにもいいのではないか」と考えられるようになったようです。
六味丸(ろくみがん)
六味丸は疲れやすい人に処方される漢方です。この漢方も主に下半身に効果を発揮します。
残尿感があったり、おしっこに出にくい人にも効果があることから、やはり「EDに効くのではないか」と考えられています。
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
柴胡加竜骨牡蠣湯は、精神不安な人や、なんでもないときに緊張してしまう人に処方されます。
漢方では「気」を大切にします。疲労やストレスをためると気が体の中でとどこおり、体を必要以上にほてらせてしまいます。
柴胡加竜骨牡蠣湯は、体内の気のめぐりを良くする効果が期待できます。
EDはストレスで発症することがあるので、気持ちを落ち着かせる効果がある柴胡加竜骨牡蠣湯が、勃起を回復させるかもしれません。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
桂枝加竜骨牡蛎湯も、
・疲れ
・神経過敏
・気持ちの高ぶり
を抑える漢方です。
漢方でも血液を重視しています。ただ漢方の世界では「血」は「けつ」と呼びます。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、血の巡りを良くして、心のバランスを取る効果が期待できます。
ストレスで発生する心因性EDの改善が期待できるかもしれません。
まとめ~積極的にED治療に取り組んでいる漢方医は少ないようです
漢方の中には、EDに効果が期待できそうなものもありますが、「ED用です」とPRしている漢方はありません。積極的にED治療に取り組んでいる漢方医も多くありません。
そこで「体調不良+ED」や「ストレス過剰+ED」といった状態の方が、体調不良の治療やストレス除去のために漢方を使い、その副産物としてEDが治る、といったイメージを持っておいたほうがいいかもしれません。